【懲戒解雇】色褪せない企業人のプライドに酔う!(書評)
懲戒解雇
(著:高杉良)
「森を懲戒解雇にするぞ」
川井常務から狙われた森課長は、孤独な闘いに挑む!
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【あらすじ】
・川井常務から匿名投書告発の犯人扱いされた森。内容は川井の香港勤務時の不正資金疑惑。直球信念の森は早速香港へ飛ぶ!
・香港で裏を取った森は掴んだ事実を4代表取締役に建白書として提出。しかし経営会議ではうやむやにされたあげく、頼りの早瀬副社長は引退、川井常務からの攻撃が始まる。
・川井から理不尽な「森の懲戒解雇」を強行させられる山脇人事部長の腐心と、親友の為に奔走する仁科人事課長。そして森は遂に決断を下す。
【評価/感想】
評価:★★★★★
心熱くなるお話。私だったらこんなに熱く行動できるだろうか、と自身を重ねて読みこんでしまう、没入感満載の作品。
1978年の作品との事で、携帯もスマホも無い時代。上司や部下の家に電話する。土日に家に訪問する。など、今ではありえない光景が頻繁に出てくるのが印象的。こんな事やっていたのか。
私は森のような派閥争いや不正を糾弾するような場面に遭遇する事はありませんが、極小の正義感は持ち合わせていますので、森から貰った勇気を糧に明日からも頑張ろうと思います。
本作品の主人公 森雄造にはモデルがいます。
「もし、俺がこんな理不尽な暴力に屈服して依願退職にしろ、懲戒解雇にしろ黙って受けていたら、両親に対して、妻子に対して、友人や恩師に対して顔向けできると思うか。(中略)唯々諾々と従っていたら、俺の人生に陰が出来てしまう・・・」
(本文262ページ引用)
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