40代サラリーマン 書評ブログのはじめ

40代サラリーマン多忙の日々。書評アウトプットは出来るか!?

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【ララピポ】どうしようもない奴らの哀しく笑える群像劇(書評)

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ララピポ

(著:奥田英朗)

 

落伍した人生連鎖。しかしそれぞれの理屈で頑張っている。

 

 

 

 

 

【あらすじ】

・(第1話)預金残高が底をつきかけている博は、隣人のセックスを盗聴しながらマスターベーションするのが日課。唯一のライターの仕事も失った博は、デブでブスと見下しながらも唯一のはけ口である小百合のもとへ向かう。

・(第2話)スカウトマン健治はソープやAVの契約は取れず、キャバクラ嬢がやっとの現状。そんな中スカウトした地味目のトモコと、先輩から押し付けられたオバサンのヨシエをAVへ送り込む!

・(第3話)ゴミ屋敷に住む主婦の良枝の日課といえば、自慰行為と近所の菊池家の郵便物の盗み見。最近始めたAV女優の仕事と、自宅の臭い。そして菊池家に届く脅迫手紙。

・(第4話)光一がバイトしているカラオケボックスは、女子高生たちの援助交際の待機場の雰囲気。毎日訪れる自称作家のハゲおやじ。そして警察が。。

・(第5話)官能作家の敬次郎は、女子高生相手の射精にはまって渋谷へ通う。エスカレートした敬次郎は本番強要するが…。

・(第6話)テープリライターの小百合は官能小説の口述テープの原稿起こしが唯一の仕事。暇を持て余し、いつもの図書館で男をひっかける。先週までは太った博。今度は郵便配達員の醜男を情事に誘う。

 

 

【評価/感想】

評価:★★★★☆

底辺に落ちていく人々の連作。

その時その時の心理、場面転換が活き活きと描かれており、引き込まれ、一気読みでした。

 全員に共通するのは、目の前の性欲に負けてしまうこと。

低俗絶賛エンターテイメントであり、警告のメッセージでもある!?

 

世の中には成功体験のない人間がいる。何かを達成したこともなければ、人から羨まれたこともない。才能はなく、容姿には恵まれず、自慢できることは何もない。それでも、人生は続く。この不公平に、みんなはどうやって耐えているのだろう。

あちこちから賑やかな音楽が流れてくる。まるで街全体が、無理矢理明るく振舞っているかのように。