【老後の資金がありません】柿谷美雨の真骨頂がココにあり！(書評)

老後の資金がありません

(著：垣谷美雨)

豊かな老後に不必要なものはくだらない見栄。(解説:室井佑月)

金難に立ち向かう篤子に勇気を貰え！

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【あらすじ】

・心配で仕方がない娘がようやく結婚。しかし披露宴代に600万円必要！娘は最初から篤子たち親を当てにしており、夫は頼りにならない。そんな中、義父の危篤の知らせが！葬式代を皮切りに夫の妹との対立が始まった！

・夫婦共にリストラ！義母の為の仕送り9万円も払えなくなった篤子は義母を引き取り同居を始める。

・愉快な義母に促されて、友達の手助けをしていくうちに着飾っていたものが洗われていく。

【評価/感想】

評価：★★★★★

面白かった。とにかく温かくて優しい気持ちになるお話。嵐を呼ぶかと思われた義母がとても可愛らしいく、篤子達の行動が変わっていく。

当初の篤子は、家族にも見栄を張り、貯金が足りない事を言えない。

娘の結婚資金の時もそう、義父の葬式代の時もそう。挙句には夫のリストラも子供達には隠す始末。

「非常識、おおいに結構よ」

「あなたたちに声をかけてもらえるのを待ってるかもよ」

「さやかちゃん、やっと人生の主役になれたって感じね。幸せそうで安心したわ」

義母の言葉に、篤子の心配事が少しずつ薄れていく。

50歳を過ぎてもまだまだ変われる。

少しでもいいから見栄を捨てる勇気。

少しでもいいから行動を変える勇気。

篤子も家族も、そしてフラワーアレンジメントの友達も、みんな少しだけ成長し、少しだけ幸せである。

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